事業第2年次の日本NGO連携無償資金協力の署名式典

2021年1月13日(水)に、日本NGO連携無償資金協力署名式典が行われました。

同式典では、三上正裕駐カンボジア特命全権大使とPHJカンボジアの石山所長との間で
「コンポンチャム州子どものケア支援ネットワーク強化事業(第2年次)」について贈与契約書に署名を行いました。
同式典では、三上大使がスピーチを行い、今回の支援が対象地域の人々に直接裨益し、カンボジアと日本の更なる友好促進
につながることを願うと述べました。
続いてPHJカンボジア事務所長の石山が、日本国民及び政府への感謝の意を表明するとともに、
着実に事業を推進していくことを約束しました。

下記、石山所長のスピーチです

「三上大使閣下、
外務省関係者の皆様、
在カンボジア日本大使館の皆様、
コンポンチャム州保健局母子保健部 部長 タング医師、
ストゥントロン保健行政区長イム医師

この度日本NGO連携無償資金協力 贈与契約を
締結させていただきましたこと、
特定非営利活動法人ピープルズ・ホープ・ジャパン
を代表しまして心よりお礼申し上げます。
どうも、ありがとうございます。

私は今、大使館でこの署名式をむかえる喜びとともに、特別な思いを感じております。
小学校の時、担任の先生が社会の時間に差し出した一枚の写真を思い出します。写真を見せながら先生は、
「これは外国で撮られた写真で、建物の建設は日本の政府が支援しているんだ」、と言いました。自分の国、日本が他の国に貢献している、と聞いたその時、胸が熱くなり何とも言えない感情があふれ出ました。人生で初めて、日本人としての誇りを感じた瞬間でした。

そして今、私はカンボジアで未来を担う子どもたちの健康向上のために母子保健活動をするNGOの所長としてこの署名式の場で立っています。 今再度、小さいときに初めて感じた、日本人としての誇りで胸がいっぱいになっております。
人を助けるという行為は巡るものです。思えば日本も戦後はODAを受ける立場でした。そして今、私は一日本人としてこの恩を返すという大義にかかわることができてとてもうれしく感じております。

事業地であるコンポンチャム州ストゥントロン保健行政区では、子供の健康に関する問題が多々あります。 例えば、生後6か月以降の子どもの低身長、低体重の子どもが多くいます。改善のためには、養育者が子どもの成長や病気に関しての十分な知識を持つ必要があります。事業一年次は、主に保健センター設備や保健スタッフの能力強化を行ってまいりましたが、二年次は保健・母子保健ボランティアの能力強化と養育者への知識普及を中心的に行ってまいります。

私たちは現地が自立できる支援が本当の支援、ということを軸に活動を行ってまいりました。また、そのためには、現地の自尊心、自立心も視野に入れ、また、援助する側と援助を受ける側ではなく、お互い助け合うという精神をつねに胸に持ち、歩んできました。
大使館の方々からも新産後ケア室の開所式への出席や活動の見学をしていただく等、ご理解ご協力いただき、私たちは存分に力を発揮して活動に取り組むことが出来、感謝の気持ちで一杯です。

最後に、私たちの活動は私たちのみではなく、すべての日本人と行っているということを忘れず、日本人の思いを現地の人に届け、友好関係を築きながら活動をしてまいります。
何卒引き続きご支援・ご鞭撻賜りますよう心よりお願い申し上げます。
本日は贈与式参列並びに贈与契約締結の栄誉を賜りまして
誠にありがとうございました。

PHJカンボジア事務所長 石山加奈子」

2020年11月号 UHCデーWEBキャンペーン/カンボジア:オンライン運営委員会に現地から初参加/ミャンマー

ご支援者の皆様

PHJ広報の南部です。
いつもご支援ありがとうございます。

先日のPHJ運営委員会は
オンラインで開催され、
カンボジアからは
PHJカンボジア事務所長の石山だけでなく、
支援をしている地域の区長や
保健センターのスタッフ、
住民の方も参加して、画面上で挨拶をしました。
※詳しくは下記の活動レポートをご確認ください。

ほとんどの人が画面上で
日本の人と交流するのは初めてで、
わくわくしながら出番を待っていたとのこと。
ちょっとしたイベントのような感覚だったのかもしれません。

海外と自由に行き来ができないいま、
オンラインでカンボジアの現地の人とも
当たり前に対面するようになったことで、
ある意味海外が近くなったともいえるのではないでしょうか。

そんなカンボジアの保健センターを支援するための
クラウドファンディングを近日公開予定です。
ご協力をぜひよろしくお願いいたします。

【お知らせ】
★PHJの2021アジアのおはなしカレンダーをお求めの方はこちら↓
今回より卓上版が登場!!
https://www.ph-japan.org/support_calendar

★PHJはUHCデー(12月12日)WEBキャンペーンに参加しています。

12月12日はユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)・デー。
誰もが、どこでも、お金に困ることなく、自分の必要な質の良い保健・医療サービスを受けられる状態を世界に呼びかける日です。

運営委員会でUHCキャンペーンに参加
http://blog.livedoor.jp/ph_japan/archives/52284617.html

PHJカンボジアでUHCキャンペーンに参加
http://blog.livedoor.jp/ph_japan/archives/52284315.html

【PHJ活動レポート】
●カンボジア事業
PHJの運営委員会でカンボジアの現地の人はどんなメッセージを発信したのでしょうか。
https://www.ph-japan.org/program_cambodia_maternal_99

●ミャンマー事業
2017年にPHJが事業を開始した時点で、
4回以上の妊婦健診を受診した妊婦さんの割合は約54%でした。
2020年11月時点では何%になってでしょうか。
https://www.ph-japan.org/program_myanmar_maternal_79

【身近なことから支援に参加できます!】
○読まなくなった本やDVD、CDがPHJの寄付になります
「古本チャリティ募金」
https://www.ph-japan.org/support_hon

○寄付型ウォーターサーバー登場!
自動販売機だけでなく、ウォーターサーバーも
飲むだけで寄付ができるようになりました。
オフィス内などに設置して社会貢献してみませんか?
https://www.ph-japan.org/corporate_sponsor_vendingmachine

○Tポイントカードやクレジットカードで寄付
yahoo!ネット募金でPHJに支援することができるようになりました。
Tポイントカードのポイントを寄付することもできます
https://donation.yahoo.co.jp/detail/5011001/

○断捨離で支援!ショッピングで支援!
使わなくなったバックや服を寄付して、ショッピングをして、
PHJを支援することができるようになりました。

海外ファッション通販サイト「waja」の
【ファッションチャリティプロジェクト】
https://www.waja.co.jp/fcp/npo/activity/8.html

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新事業地レウェイ郡で活動を開始

PHJは、ミャンマーに事務所を開設した2014年から、ネピドー特別行政区タッコン郡で母子保健改善活動に取り組んできました。その後、約6年間にわたり継続的に支援を行い、2020年11月、計画された支援事業を完了しました。そして、2020年12月から、新たな事業地であるレウェイ郡で支援活動を開始しました。

レウェイ郡は、これまでの事業地と同じネピドー特別行政区内で、面積は約2,225㎢(東京都より少し大きめの面積)、人口約30万人です。空港やマーケットがあるような市街地と、農村地域が混在し、人口の9割は農村地に住んでいます。

レウェイ郡中心地の様子

母子保健状況も、市街地と農村地では違います。市街地では、医療施設が整備され、医療者が配置されている一方、農村地域では、医療施設へのアクセスが困難な地域が多く、住民による保健サービスの利用が進んでいない状態です。道も舗装されておらず、最寄りの医療施設までバイク(四輪の車では行けないほどの悪路)で2時間以上かかる地域も存在します。

レウェイ郡農村地域の道の様子

こうした状況を改善させるため、まず、地域保健の中心となる助産師の技術の向上から取り組んでいます。

郡保健局とともに、助産師として必要な妊婦健診や出産介助、産後検診に加え、新生児ケアを含む技術のチェックリストを作成し、それに基づいて、郡保健局や各地域保健センタースタッフがスーパーバイザーとなって助産師の技術をモニタリングしていきます。

レウェイ郡内の保健医療スタッフにとっては初めての活動。これまでは郡保健局、地域保健センタースタッフ、サブセンターの助産師との連携を強化する機会が少なく、はじめはスーパーバイザーも助産師も緊張気味でした。
そこで、助産師同士のロールプレイを取り入れたり、スーパーバイザーによる効果的なモニタリング方法について動画を用いて説明したり、工夫しながら実施しています。

ウェカムー地域保健センターでスーパーバイザーたちへモニタリング方法を説明するPHJスタッフ

オーシッライン地域保健センターで分娩介助の技術をモニタリングする様子

スーパーバイザーは、助産師の技術をモニタリングした後、助産師ひとりひとりに結果をフィードバックします。
レウェイ郡内には新卒の助産師が19人配置されており、中には実際の出産介助経験がない助産師もいます。
そうした経験の少ない助産師にとって、助産師学校を卒業後もスーパーバイザーから個別に技術のアドバイスをもらうことで、地域の保健活動の中心的存在として、地域のお母さんと子どもが安心して妊娠、出産、子育てできる技術を磨いています。
【本活動は、小野薬品工業株式会社とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しています。】

ペンの寄贈をきっかけにSDGsの啓発活動を

日本生命保険相互会社様からSDGsのペンのご寄付をいただきました。

PHJがカンボジアやミャンマーで取り組む母子保健改善事業は、持続可能な開発目標(SDGs)のゴール3(すべての人に健康と福祉を)にそのまま合致するものです。

また、SDGsの17の目標の中で、ゴール5(ジェンダー平等とすべての女性と女児の能力強化)、ゴール6(安全な水とトイレを世界中に)、ゴール17(パートナーシップで目標を達成しよう)も関連するものです。

コンポンチャム州保健局の母子保健担当スタッフへペンを寄贈し、SDGs賛同の意志を表明していただきました。

ストゥントロン行政区長にもペンを寄贈しました。

SDGsは、先進国だからなどの線引きはなく、世界中が取り組むべき目標。
しかし、カンボジアではSDGsの認知度は低く、一般の人々には概念が浸透していないため、PHJの現地スタッフもSDGsについてはよく知らないというのが実情です。
今回SDGsのペンをいただいたことをきっかけに、事業地内の小学校でSDGsのイベントを開催することとなりました。
小学生に「SDGsって何?」をきちんと伝えられるように、スタッフは業務の合間にSDGsの勉強に励んでいます。

子どもたちにわかりやすく教えるために教材も作りました。

日本の企業から贈られたペンが、カンボジアの小学校でSDGsの啓発につながり、「持続可能な世界の実現を目指す」ために、身近な生活の場から実際の行動を起こすきっかけとなることを期待しています。
現在、カンボジアでは20人以上の集会が禁止されていますが、禁止が解かれ次第、SDGsイベントを実施する予定です。

2020年10月号 11/17オンライン運営委員会参加募集!/2021チャリティカレンダー受付開始

ご支援者の皆様

PHJ広報の南部です。
いつもご支援ありがとうございます。

イベントのお知らせです。
11月17日(火)16時〜17時半に
オンラインによる
PHJ運営委員会を開催いたします。
現地駐在員による活動報告も予定しております。
ご興味のある方はどなたでもオブザーバーとして
参加・視聴いただけますので、
下記のイベント案内をご覧いただき、
11月13日(金)までメールにてお申込みください。

さて、
早くも来年のPHJのカレンダーを
ご案内する時期になりました。

今回は壁掛けカレンダーだけでなく、
卓上カレンダーも用意しております。

ぜひオフィスやご自宅で
お使いいただければと思います。

PHJの2021アジアのおはなしカレンダーをお求めの方はこちらへ
https://www.ph-japan.org/support_calendar

【イベント参加募集:11/17オンライン運営委員会開催のお知らせ】
11月17日(火)16時から17時半まで
オンラインによる運営委員会の開催を行います。
カンボジアは現地からの活動報告となります。
ご興味のある方はオブザーバーとして参加いただけますので、
メールにて
件名に「1117参加希望」
本文に「お名前、所属(任意)」を記載いただき
info@ph-japan.orgまでご連絡ください。
(11月13日申し込み締め切り)

お申込みいただいた方にはメールにて
オンライン会議(ZOOM)のURLをご案内いたします。

【PHJ活動レポート】
●カンボジア事業
カンボジアの事業地で働く医療ボランティアのために、
30名以上の日本の支援者がマスク205枚を寄贈してくださいました。

https://www.ph-japan.org/program_cambodia_maternal_98

●ミャンマー事業
ミャンマーでは感染拡大が収まらず、
死者数も増加している現状を受け、
タッコン郡保健局とレウェイ郡保健局へ
新たにマスクや防護服等の医療物資を寄贈しました。

https://www.ph-japan.org/program_myanmar_maternal_78

【身近なことから支援に参加できます!】
○読まなくなった本やDVD、CDがPHJの寄付になります
「古本チャリティ募金」
https://www.ph-japan.org/support_hon

○寄付型ウォーターサーバー登場!
自動販売機だけでなく、ウォーターサーバーも
飲むだけで寄付ができるようになりました。
オフィス内などに設置して社会貢献してみませんか?
http://www.ph-japan.org/corporate_sponsor_vendingmachine

○Tポイントカードやクレジットカードで寄付
yahoo!ネット募金でPHJに支援することができるようになりました。
Tポイントカードのポイントを寄付することもできます
https://donation.yahoo.co.jp/detail/5011001/

○断捨離で支援!ショッピングで支援!
使わなくなったバックや服を寄付して、ショッピングをして、
PHJを支援することができるようになりました。

海外ファッション通販サイト「waja」の
【ファッションチャリティプロジェクト】
http://www.waja.co.jp/fcp/npo/activity/8.html

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運営委員会に現地の人々がオンラインで初参加

11月17日にオンラインで開催されたPHJ運営委員会に、カンボジアの事業地の区長や住民が参加しました。

クポッタゴン保健センターに集まった参加者

運営委員会に出席している方へ、現地からメッセージを伝えるためです。

現在事業地内の保健センターではいくつか課題を抱えています。

クポッタゴン保健センター

クボッタゴン保健センターは入口付近の地面が未舗装で、雨季には池のような水たまりができ、乾季には土埃が舞い、保健センター内に入ってきます。
さらにアレアッタノー、ピアムゴッスナー、オームルーの3つの保健センターの産後ケア室は整備されておらず、
産後の母子が48時間滞在することはとても難しい状態です。

保健センターの現状を伝える区長

PHJではこうした保健センターの課題を改善するため、
クラウドファンディングで寄付を集め、舗装工事や備品購入を考えています。

運営委員会では、公開予定のクラウドファンディングへのご協力を促すために、
区長、村長、保健センタースタッフ一同、母子保健ボランティア、保健ボランティアさん、
そしてPHJカンボジア事務所スタッフ一同も参加し、運営委員会に出席されている方々へメッセージをお伝えしました。

カンボジア所長

このようにオンラインで日本の支援者と対面するのは、カンボジアの参加者にとってはほぼ初めて。
おやつを食べながらウキウキして出番を待っていたとのこと。

また現地の人がこのように募金活動に直接かかわることも初の試みです。
支援を受ける側の人々が働きかけたことで寄付が集まれば、自尊心の向上にもつながり、
寄付で購入した物品などもより大切に使うことと思います。

PHJスタッフと現地の方が協働して募金活動を行い、連携をさらに強化する良い機会となりました。

妊婦健診——安全なお産を迎えるために

イエエイ村での巡回妊婦健診の様子

ミャンマーでは、地域の助産師が自ら管轄地域内の各村を巡回し、村の妊婦さんの健診を行います。
2017年にPHJが事業を開始した時点で、ミャンマー保健スポーツ省が当時推奨していた4回以上の健診を受診した妊婦さんの割合は約54%でした。妊婦さんの約半数が十分な健診を受けないまま、出産に臨んでいるということになります。
PHJは、母と子の健康を守り、安全なお産を迎えてもらうため、妊婦健診の受診を支援してきました。

具体的には、助産師の巡回妊婦健診活動を定期化させ、地域への周知徹底をしたり、各村で出産に関わる知識を地域住民や妊婦へ普及させる活動を、村の母子保健推進員や助産師が中心となって行うことを支援してきました。

上の写真はイエエイ村での巡回妊婦健診の様子です。36人の妊婦が参加し、ひとりの助産師が順番に健診を行いました。母子保健推進員が、場所の準備や活動情報の周知、身長・体重測定等をサポートします。

健診等の記録をモニタリングするスーパーバイザー(右)と説明する助産師(左)

さらに、受診した妊婦の情報が正しく記録されているか、助産師のスーパーバイザーが定期的にモニタリングする仕組みづくりを行ってきました。

PHJスタッフが診療や治療に関わるわけではありませんが、このような取り組みを経て、2020年11月時点で妊娠期間中に4回以上健診を受診した妊婦さんの割合は、約73%まで増えました。
健診の場で異常が発見された妊婦さんは、母子保健推進員や村長と協力してすぐに病院へ搬送されるなど、妊娠中の異常の早期発見・早期治療につながっています。さらに、健診や知識普及の教育等で医療者と地域住民との交流が増えたことで、助産師と地域の人々との信頼関係が強まり、地域の人々がより安心して医療機関を受診できるようになってきました。

出産は、女性、家族、そして地域全体にとって、とても大切な出来事です。赤ちゃんと女性が安心して安全に出産し、健康な赤ちゃんを育んでいくことができるよう、医療者と地域が協力して支えていくことのできる仕組みが、事業地では広がっています。
新型コロナウイルスの感染拡大の中でも、母子の健康を守るために、人々が支え合い、助け合うミャンマーの人びとと学び合いながら、
より多くの人の健康が守られる仕組みづくりを今後も支援していきます。

【本事業は、外務省日本NGO連携無償資金とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しています。】


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