ミャンマーの助産師は、助産師学校を卒業後、単身任地へ派遣され、一つの医療施設を一人で受け持ちます。
学校で学んだ助産技術を現場ですぐに実践しなければなりません。
そして、1 人きりでお産を取り上げ、緊急時には全て一人で判断し、限られた薬剤を適切に用いて迅速な処置をしなければなりません。
また、臨床現場で求められる的確な判断力と技術には、経験と知識の応用が欠かせません。
しかし、卒業後、日本の医療人材が受けられるような十分な研修やサポート体制はありませんでした。PHJでは、ミャンマーの助産師たちが、安全な技術を身につけ、維持し、自信をもって地域での医療保健活動にあたることができるように、タッコン郡保健局による助産師のスキルモニタリングをサポートしています。
普段は地域での医療保健業務に追われて忙しい助産師たちが、あらためてじっくり自身の知識や技術と向き合い、保健局のスーパーバイザーからアドバイスをもらえる貴重な機会です。
以前PHJから寄付した胎児超音波心音系計(ドップラー)の使い方もチェックし、保健郡局保健師長が指導します。
今回は、妊婦健診や産後検診、新生児蘇生法などの技術の確認に加え、ケーススタディーを用いて、分娩時出血や妊娠高血圧症候群などへの対応についても再確認しました。
臨月の助産師も参加し、真剣に取り組んでいました。
今回のモニタリングからの学びを活かして、助産師たちが自信をもって安全で確実な技術を提供することにより、安全なお産と元気な赤ちゃんのケアが実践されるよう、これからも支援していきます。