妊産婦の身近で頼もしい存在「補助助産師」の研修

ミャンマーのタッコン郡には現在35名の補助助産師がいます。
補助助産師は6ヶ月の研修を受け、自分たちが居住する村で助産師の指導・監督のもと、無給で働く医療スタッフです。
村の妊産婦の健康相談に乗ったり、地域の助産師へつないだりするほか、助産師が不在の時には分娩介助を単独で行うこともあります。
そのため、補助助産師の知識や技術の質を維持することはとても重要です。
PHJでは、2016年からタッコン郡保健局と協力して補助助産師の卒後リフレッシュ研修を定期的に行い、彼らの知識と技術の質を維持することができるよう支援しています。

タウンシップ保健師長からのフィードバックを真剣に聞く参加者

今回の研修は、妊産婦健診や妊娠中の危険兆候、予防接種についての講義に加え、分娩介助実習を含めた内容でした。
天候の悪い中、悪路を片道3~4時間かけてバイクで来ている参加者や、前夜に村の妊婦さんが出血して
急遽町の大きな病院へ搬送するといった手配に追われ、睡眠不足のなか参加した人もいました。

分娩実習を実施する参加者

実習では胎児モデルを使用し、タウンシップ保健師長の指導・監督のもと、スキルチェックを行っていきます。
参加者同士で声を掛け合って間違いを正したり、不足を補い合ったりして、皆、真剣です。
参加した補助助産師からは、
「妊産期の危険兆候や全身の健診方法などの正しい知識を改めて確認できてとても自信がついた。」
「実習で自分の間違いを見つけて直すことができた。」といった声がありました。
各村で村民と居住を共にしながら活動する補助助産師は、村の人たちにとってとても身近で頼もしい存在です。
自身の知識と技術をアップデートした彼らが、より一層村の住民に寄り添う存在でいられるよう、これからも支援していきます。

母子保健ボランティア 産後検診啓蒙のためのトレーニング

現在、PHJカンボジアでは2歳以下の子どもの健康を支えるためのネットワークづくりをしていますが、この事業のなかで母子保健ボランティアは村の妊産婦を直接支援する役割を果たします。
活動の中でも目標とされている家庭での子供の健康に関する知識や意識を高めるためにはなくてはならない存在で、妊婦健診や産後検診といった産前産後のケアの啓蒙や栄養教育といった活動の核になります。
7月はじめの4日間、ピアムゴッスナー母子保健ボランティアの第2回初期トレーニングを開催しました。今回のトレーニングは、6月末に行った第1回初期トレーニング「妊婦健診サービスについて」の続きです。
「産後検診サービスについて」が今回のトレーニング内容で、13人の母子保健ボランティアが参加しました。
比較的大人数だったので、会場として保健センター近くの学校の教室をお借りしました。
学校の校長先生は活動にとても理解を示してくれ、快く教室を貸してくれました。
ファシリテーターとして保健局の医者と看護師が参加しました。

産後検診の大切さについての講義、新生児と母親の健康状態の評価方法、体温計の使い方、家庭訪問の仕方などが主なトレーニング内容でした。

最終日は実技です。グループに分かれて近くの村に行き、出産したばかりの女性へ家庭訪問をします。

保健局の医者と看護師の指導のもと、参加者全員が家庭訪問の実演をしました。
母子保健ボランティアが、フリップチャートの教材を利用しながらわかりやすく説明しています。


最後は、参加者13人の母子保健ボランティアへ救急箱、教材、バッグを贈り、トレーニングは終了しました。


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