8月12日、インドネシアのセラン県を、東京事務所のインターン生の永山さんが訪問しました。
下記が永山さん自身による視察の報告です。
前日に降った雨の影響で道がさらに悪くなっていて大変でしたが、セラン県中心部より約1時間半で到着しました。
視察させていただいたのは、セラン県ススカン村の地域保健センターとティルタヤサ自治区診療所、栄養クリニック・教育センター、そこに併設されている菜園です。
地域保健センターでは、母子保健教育活動が行われていました。
この保健センターに5年ほど勤めていらっしゃる、助産師のエティ( Eti )さんを中心に、30人ほどのお母さんたちが輪になり、和気あいあいとした雰囲気で活動をしていました。
今回の教育テーマは「妊娠における危険な症状や兆候」。話の内容は、出血や熱や嘔吐、それらへの対応などの基礎知識でしたが、村での出産にたくさんの不安を抱えているお母さんたちからはたくさんの質問が飛び、エティさんがそれら全てに丁寧に答えていました。
エティさん自身も現在7か月の男の子を持つ“先輩ママ”ということもあり、お母さんたちは彼女をとても信頼しているようでした。「相談できる相手は誰ですか?」という質問にも、皆さん口を揃えて「助産師さん!」とおっしゃっていました。
全体での活動が終わると、個別に薬の配布や体調のチェックが行われ、スタッフや助産師さんたちは、個人的な相談にも時間をかけて丁寧にアドバイスしていました。
お母さんたちが積極的に活動に参加していた様子から、村全体の出産や育児に対する意識が高まっているのを感じました。私の「出産は自宅でしますか?」という質問にも、「それは絶対に有り得ません。保健センターで出産します。」と全員が答え、教育活動によって意識が変化していることを実感し、とても嬉しく思いました。
エティさんも「PHJの保健教育にはとても重要な意義を感じています。まだ課題はありますが、実際に保健センターで出産するお母さんが増え、たくさんの子供を取り上げ、たくさんのお母さんを助けることができており、活動の手ごたえを感じています。」と充実した表情を見せてくれました。
文化の違う土地でプロジェクトを実施し、成果を上げるためには大変な努力と時間がかかることを痛感しましたが、それらには人々の意識をも変える力があるということも実感しました。
PHJでのインターンも残り4か月となりましたが、今回の経験を胸に、責任と誇りを持って、楽しく!活動に携わらせていただきたいと思います!
永山 日菜
月: 2014年8月
ミャンマーでの活動に関する合意書署名式に出席
8月11日にPHJのミャンマーでの支援活動に対する
合意書署名式がミャンマー保健省で行わわれるため、
PHJ理事長の小田とスタッフの北島が出席しました。
ミャンマーでの事務所開設と活動開始に向けて大きく前進しました。
下記が北島の出張報告です。写真と合わせてお読みください。
8/10
成田を出発バンコク経由 夕刻ネピドーに到着
8/11
保健省にて合意書署名式と同時に医療機器の寄贈式が開催され、
保健省の局長と署名式に保健省内関係者30名が出席しました。
左から2番目:保健省 局長 右:小田理事長
今回の寄贈に関しては、テルモ株式会社より電子血圧計1000個、体温計1000個を
提供いただき、また寄贈品の移送については株式会社商船三井より支援いただくことができました。
母子保健医療担当の医師からも「地方では電力事情が良くないため
バッテリー内蔵の機器はとても助かります。」と感謝いただきました。
寄贈された医療機器については保健省がミャンマー国内の医療機関への
配分を決定し、送るとのことです。
8/12
支援対象となるタッコン・タウンシップ病院へ電子血圧計と体温計を50セット
寄贈するためタッコンへ移動。
ネピドーより北へ60キロのところに位置するタッコンに到着すると、
保健省よりDr.ChanNyeinAungが随行してくれました。
寄贈式にはタッコンタウンシップの医療局長、病院長が同席しました。
タッコン・タウンシップ病院(100床)は2011年末に完成し
比較的新しいためぱっと見たところ院内も明るくてきれいではありますが、
医療機器は圧倒的に少なく置いてあるベッドなどは
かなり質素といった印象でした。
分娩室
診察室
入院病棟
その後タッコン・ステーション病院(6床)を訪問しました。
舗装道路から脇道に入りSHVUE MYO村へ車で欄干のない橋を
わたり舗装をしていない道を入ります。
鉄道駅のそばにマーケットがありその先にステーション病院がありました。
タッコン・ステーション病院は、木造で1978年建設され、48村と5つのサブセンターを管轄しています。
医師1名、看護師1名で1日の外来患者が10~25名程度。
左から北島、小田理事長、病院医師(中央)、看護師
電気は自家発電、水は井戸水から。
木製のベットが置いてあるが
使用はしていないようで、天井の板が朽ち果てているところがある。
古い分娩台もあるが長い間使用はしていないよう。
病院の改築をはじめPHJのノウハウは充分活用されるものと思います。
村の様子はカンボジアの農村地に似ていました。
夕刻ネピドー国際空港よりバンコク経由成田に8/13朝到着しました。
2014.8.20
コンポンチャムへの事務所引っ越し準備
国際協力NGOが主催する就活カフェ シリーズ第一回【終了報告】
「研究員、開発コンサル、学生の3人の転活・就活ストーリー」
●開催日時:9月17日(水)18時45分~20時45分
●開催場所 武蔵野プレイス スペースC
国際協力を仕事にしたいけど、キャリアプランは?学生のうちに何をしたらいい?そんな悩みを抱えている学生の皆様に、今後の進路のための一助として、実際に国際協力の現場で働いている方と、国際協力を目指して企業への就職を決めた学生の方に、現在のポジションにいたるまでのストーリーを語っていただきました。当日の参加者は10名とこじんまりとしていましたが、熱心な方が多く、充実のイベントとなりました。
当日はまず、進行・アドバイザーとしてPHJスタッフの真貝が、国際協力の就活術全般について話しました。
ゲストスピーカーは三人。保健医療分野の開発コンサルタントの相田華絵さん(写真左上)、結核予防会の臨床・疫学 研究員の泉清彦さん(写真右上)、国際協力を目指し企業への就職を決めた大学生の原田晃帆さん(写真左下)。バックグラウンドの異なる三人の現在の仕事にいたるまでをお話しいただきました。
お話しの後は意見交換や相談の時間を設け、参加者同士で悩みを共有したり、アドバイスの時間を設けました。
終了時間を延長して遅くまで質問をされている方が多かったことが印象的でした。
次回はもう少し質疑応答タイムの時間を増やそうと考えています。
参加いただいた皆様ありがとうございました。
次回の就活カフェは12月半ばに「企業経由でNGOへ」というテーマで実施する予定です。
出張報告 1年目の活動評価とピア教育ルーム視察
7月に海外事業担当スタッフをタイ事務所に訪問し、HIVエイズ予防教育の
1年目の活動に対する評価をタイ事務所スタッフとともに行いました。
その結果1年目にして目に見える行動変容が起こっており、
たとえばHIV抗体検査の受診率は
ピア教育を受けていない学生が18%であるのに対し、
ピア教育を受けた学生は69%。
また最後の性交渉でのコンドーム使用率は
ピア教育を受けていない学生が23%であるのに対し、
ピア教育を受けた学生は96%という結果となりました。
これらの成果が上がった背景として、PHJのピア教育により正しい情報が
正確に伝わっていたこと、ピアエデュケーター(PE)や先生が協力的だったこと、
PHJのスタッフが定期的に高専を訪問し活動を適宜フォローしていた等が挙げられました。
また出張ではピア教育ルームも視察。
たとえばシータナ高専のピア教育ルームは約17人/日の利用があるとのこと。
ピアエデュケーターはシフトを組んでおり、
他の学生たちがいつ訪れても相談に応じられるようにしていました。
見学に行った日も10名弱のPEが待機していた。
学生が相談に来たら、まずはPEと話をし、
それでも解決しなければ高専の先生、
また毎週火・金に県保健局から職員が来て
学生たちの相談に応じるようにするとのこと。
衝立で区切られたカウンセリングルームを使用するそう。
HIVだけでなく恋愛やお金の相談等も受け付けているので、
特に学生たちはピア教育ルームに来るのを
恥ずかしがることはないとのことでした。
上の写真はコンドームの自動販売機。
2歳の男の子が手術を受けました。
2歳のプルム君がチェンマイ大学病院で手術を受けました。
プルム君は生後4日の時点で医師から
心臓病を患っているとの診断を受けました。
ただ、心臓病の手術をするには小さすぎたため、
2歳になるのを待って手術を受けることにしました。
プルム君の家庭は経済的に厳しく、
手術費用が出せない状況とのことで、
PHJを通した支援によって手術を受けられることになりました。
プルム君の手術はチェンマイ大学病院で
7月25日に行われ、無事成功しました。
タイの先天性心臓病手術支援に関してはこちら